ダニは洗濯しても生きていますし、掃除機でもほとんど吸えないしぶとい生き物ですが、
熱と乾燥には弱いです。
ダニは約50℃以上の環境に30分程度さらせば死にますし、
湿度を50%以下に維持することでも動けなくなりやがて死んでしまいます。
熱によるダニ対策は即効性がありますが、実際にこれができると言い切れる家庭用布団乾燥機は現在、三菱電機のAD-X80ひとつしかなく、しかも従来式のマットで布団をくるむタイプであるために非常に手間がかかり面倒くさいです。
今いるダニをなんとしても一発で殺したい!という場合にはおすすめできますが、布団乾燥機としての普段使いも考えている場合にはおすすめできません。
対して、乾燥による布団のダニ対策は熱のような即効性はないものの、ダニが住みにくい環境を維持することで徐々にダニを減らすことができます。
これは今主流のマットでくるまないタイプを含めほとんどの布団乾燥機で可能です。
このページでは布団にいるダニを熱で殺すのか、それとも乾燥させて殺すのかを含めてあなたにぴったりの布団乾燥機を選ぶお手伝いをさせていただきます。
目次
布団にいるダニを熱で一網打尽にしたい場合
こちらはすでにお話ししたように、現在ダニ刺されの被害に遭っていて、一刻も早く布団にいるダニを退治したいという方向けです。
これができる布団乾燥機は実は1つしかありません。
三菱電機のAD-X80は熱でダニを死滅させられる唯一の布団乾燥機
現在の布団乾燥機の主流は手間のかからないマットレス型(ノズル型)。
そんななかこの三菱のAD-X80は使うたびに布団をマットで覆わなければいけない面倒くさいマット型です。
ですがこれには理由があります。
ダニも生き物です、布団乾燥機で温められると生き延びるために布団乾燥機の熱が届かない端っこや布団の中心部に逃げて行ってしまいます。
そうなるとせっかく布団乾燥をしたのにダニが布団の中で生き延びてしまうことになります。
布団の中のダニを確実に殺すには布団をマットですっぽりと覆ってしまい、布団の中心部と端っこまでムラなく温めてダニの逃げ場を無くす必要があります。
これは、今主流のノズルを布団の中に差し込むだけのマットレス型(ノズル型)の布団乾燥機だと構造的に不可能です。
その点、三菱のAD-X80は専用に開発されたヒートパンチマットを使い布団を四隅まで巻き込んでしまうので熱の逃げ場がなくダニの生き残りを許しません。
ここにマット型とマットレス型のダニ退治モードの温めムラを比較したサーモグラフィー画像があります。
このように布団全体ををムラなく温めてダニを一網打尽にできるのは家庭用布団乾燥機では三菱のAD-X80だけで、あとはコインランドリーの布団乾燥機しかありません。
それぐらい唯一無二の製品です。
ただこの商品はダニ退治に特化した布団乾燥機なので、通常の布団乾燥機としての使用も出来なくはないですが、そこはやはり毎回の手間や多機能性の部分で他の商品に分があります。
ただ、AD-X80でも他の多くの布団乾燥機のように靴用アタッチメントをつけて靴の乾燥も出来ますし、ヒートパンチマットを使ってぬいぐるみの乾燥や、少量の衣類の乾燥も出来ます。
特に衣類の乾燥は、通常カシミヤなどの繊細な衣類はハンガーにかけて干すと伸びてしまうので、平干しをしなければなりませんが、ヒートパンチマットで乾燥させると綺麗に早くしっかりと乾燥させることが出来ますので普段から平干しをする機会がある方は重宝する機能だと思います。
ただ率直な意見として、熱によるダニ退治ってそう何回も行うものではないので、多くても年に2~3回でしょう。
であれば、単に布団のダニを退治したいだけなら1万5000円も出してこれを買うよりコインランドリーの乾燥機を使った方が取り扱いも簡単だし、値段も高くても1000円程度なのでグッと安いです。
でもコインランドリーの乾燥機では高級衣類の乾燥や、ぬいぐるみの乾燥、ペット用品の乾燥、ベッドのマットレス部分の乾燥などは出来ませんのでそういう目的もあれば三菱のAD-X80は最適だと思います。
布団を乾燥させてダニを減らしたい場合
こちらはダニ被害などの緊急性がなく、継続して布団内部の湿度を下げることでダニが繁殖しにくい環境を作り出し、ダニを減らすことを目的として布団乾燥機を使う場合です。
継続して使えばほとんどの布団乾燥機で効果あり
乾燥によるダニ対策であれば、市販のほとんどの布団乾燥機に効果があります。
しかし一回では効果がありません。
最低でも週に1回、それを1ヶ月は続ける必要があります。
長く続けて習慣にする必要があるので、最初から続けやすいマットレス型(ノズル式)の布団乾燥機をおすすめします。
いつも使うものなら出しやすいところに置いておきたいので、デザイン性も重要ですね。
マットレス型の市販品であれば、布団乾燥以外にも靴や衣類の乾燥、消臭機能やアロマ機能がついた布団乾燥機など、各社工夫をこらした商品が多いです。
気になる電気代は1回10円程度、高出力のダニ対策モードでも50円程度でどれも大差ありません。
あなたのご家庭の事情に合わせて、あれば便利な機能がついている布団乾燥機を選ぶのが正解です。
また、布団乾燥機を使いたいというより、単にダニが繁殖するのを防ぎたいだけという場合には布団乾燥機ではなくダニ捕りロボがおすすめです。
→http://danitori.jp/danirobo/index.html
ダニが好きな匂いの誘引剤でダニを集め、日米特許を取得した特殊な吸湿性セラミックでダニを乾燥させて殺します。
布団の隅に置くだけポンで3ヶ月、使用後は燃えるゴミで捨てるだけです。
布団の中にダニの死がいも残りません。
消耗品なので継続して買うことは必須ですが、1万円以上もする布団乾燥機を買って毎週布団を乾燥させ続ける手間とコストを考えると、
「ダニ対策」だけで考えるとダニ捕りロボのような専用の製品を使った方が圧倒的にコスパがいいです。
もちろん布団乾燥機と併用してもいいですよ。
ダニ捕りロボはうちでも使ってます。
続けやすいマットレス型(ノズル式)の布団乾燥機おすすめランキング10選
ここからは、布団乾燥機による継続した乾燥でダニ対策をしたい方向けに市販の布団乾燥機の中でおすすめを紹介していきます。
はっきりいって三菱のAD-X80以外のダニ対策モードはどれも完全ではないので、布団乾燥機として普段使いをすることで常に布団をカラッとした状態に保つことを重視したランキングになります。
ということで最重視しているのは
- 通常の布団乾燥にかかる時間
- 対応布団サイズ(シングルかダブルか)
- 作業の手軽さ
- 収納性または置いておいても気にならないデザイン性
です。
それに加え、
- 靴乾燥や衣類乾燥
- 消臭機能
- そのほか独自の機能
を加味して判断しています。
ダニ対策機能はおまけ程度に見ています。
ではもったいぶらずに1位から。
1位 日立 ふとん乾燥機 アッとドライ プラチナ HFK-VH1000 S
対応布団サイズ:ダブル
ダニ対策時間:100分
標準乾燥時間はシングルの場合30分と高速なことと、ダブルでも90分で完了するのが1位の決め手です。
ほかのノズル型の製品だと60分が普通で、マット型で早い製品でも45分かかります。
そこを30分で、しかもノズル式で乾燥が完了するのは日立のアッとドライだけです。
それを可能にしているのが付属のアタッチメントで、立体的に温風を布団全体に行き渡らせることができます。
また、ホースが90センチと長く、布団の真ん中に置く構造なのも温めムラが出にくくていいポイントです。
ホースが長いのでベビーベッドでもそのまま使えます。
ダニ対策モードは布団乾燥機を動かしながら何回も乾燥させる機種が多いですが、日立のアッとドライは乾燥機を動かさずに100分1回で完了できます。
そのためダニが涼しいところに逃げる時間を与えないという意味では多少は効果が期待できます。
ただしダブルの場合は、まくら側・足もと側で位置を変えて2回行う必要があります。
他にも付属の靴乾燥アタッチメントを装着して靴乾燥ができたり、ハンガーに干している衣類に温風をあてて部屋干しの生乾き対策もできるので単純に布団乾燥だけでなくいろいろな場面で使うことができます。
別売りですが衣類乾燥用の袋も用意されます。
容量は「ハンガーにかけた服6枚ぐらい」です。
衣類乾燥も冬の寒い時期や梅雨時期には重宝すると思いますが、
個人的には特に靴乾燥が雨で濡れた靴を乾かせば翌日まで濡れたままの不快な靴をはかなくていいのはうれしいですね。
デザインはオールインワン設計で、本体のスッキリしたデザインのなかにすべて収納できるので見えるところに置いておいても気にならないでしょう。
使う時は本体からホースとアタッチメントを取り出して2つを接続し、布団の真ん中にさし入れてスイッチオン。
この手軽さと高速な乾燥時間が魅力の商品です。
これなら毎日乾燥をかけても手間にはならないでしょう。
ダニは湿気がないところを嫌いますので、こうして常に布団をカラッと保っておけば徐々にダニの数が減っていくことが期待できます。
そのほかの特徴としては、室温センサーの搭載と静音モード、デオドラント剤による消臭が挙げられます。
室温センサーで室温を検知するのでおまかせ運転でも夏なら温風で布団乾燥後に送風で布団を冷まし、冬なら温めたままにしてくれます。
静音モードでは、音が静かなことももちろんメリットですが、
それよりも静音モードだと温風の温度が50℃以下になるので羽毛布団や高反発マットレスなどの高温に弱い素材にも対応できる点が素晴らしいです。
最後に、デオドラント剤による消臭ですが、こちらは正確には消臭というより香りによるマスキングです。
アタッチメントにデオドラント剤を取り付けて布団乾燥をすることで布団に心地いい香りをつける簡易的なものです。
シャープのプラズマクラスターやパナソニックのナノイーのような臭いを分解する効果はありませんのでそこまで評価できるものではありません。
そもそも布団乾燥機にかけるだけでもかなりの消臭効果がありますので、消臭機能はそこまで重要ではありません。
ということで、布団乾燥にかかる時間が1番早く、布団サイズはダブルまで対応で使い勝手もいい。
靴乾燥や衣類乾燥もそつなくこなせて、高温に弱い寝具にも対応できるという点で、総合的にみて1番おすすめできるのがこの日立のアッとドライです。
2位 アイリスオーヤマ 布団乾燥機IRIS ふとん乾燥機 カラリエ ツインノズル FK-W1
布団対応サイズ:ダブル
ダニ対策時間:100分
後で紹介するアイリスオーヤマの布団乾燥機FK-C3の上位機種です。
標準乾燥時間は60分です。
なんといってもこの製品の一番の特徴は上から伸びた2本のホース。
ホースが2つあることでひとつの布団を効率よく温めたり、同時に2つの布団を温めたりすることができます。
ノズルの形状も面白くて、ノズルの先端が立つのでふとんの中に空間を作ることができ、効率的に温風を届けることができます。
だから収納しやすいコンパクトな本体にもかかわらず、ダブルサイズの布団まで公式に対応しています。
ホースの長さも100センチ(1メートル)のロングホースなので日立のアットドライ同様ベビーベッドの乾燥に使うこともできますし、
靴乾燥アタッチメントが付いてくるのですが、ホースが2本あるので靴を2つ同時に乾燥させることができるのもこの製品の独自機能です。
革靴の乾燥にも対応しています。
約50℃の温風が出てくる低温モードも搭載しているのでデリケートな寝具にも対応しています。
ダニ対策モードも、立体ノズルのおかげで温め効率がいいのである程度の効果は期待できます。
デメリットとしては、2系統のホースに温風を届けなければいけないため、稼働音が大きめです。
消臭機能というわけではないですが、この上位機種のKFK-W1-WPになるとアロマケースと脱脂綿がついてきて、お持ちのアロマオイルを使うことが出来ます。
上位機種との差はそこだけで、価格差は1000円程度です。
3位 シャープ プラズマクラスター搭載 ふとん乾燥機 ホワイト UD-BF1-W
対応布団サイズ:ダブル
ダニ対策時間:360分
上部のキノコ型のアタッチメントが特徴的なシャープの布団乾燥機です。
このキノコ型のアタッチメントは胞子を遠くに届けるキノコの傘の形状を参考に、温風がより広い範囲に届けられるということで採用されました。
対応布団のサイズはダブルまで。
ダニ対策モードは90分を4回繰り返す仕様なので、ダニが逃げる時間をあたえてしまい、そこまで高い効果は見込めないでしょう。
50℃程度の温風が出る低温モードも非搭載のため、デリケートな寝具には使えません。
アタッチメントは靴乾燥用のアタッチメントがついてきて、布靴にも革靴にも対応します。
衣類乾燥は干してある服に直接風をあてるだけの簡易的なタイプです。
シャープの布団乾燥機の一番の魅力はやはりプラズマクラスターでしょう。
他の布団乾燥機のように匂いをマスキングすることでごまかすのではなく、ニオイ物質を分解できるのは大きな強みです。
布団乾燥に使えば布団のカビ臭・汗臭・加齢臭・おねしょ臭の抑制に効果があります。
靴乾燥に使えば靴の消臭効果がありますし、衣類乾燥に使えば生乾きの嫌な臭いも分解できます。
プラズマクラスターの風が出るということで、小空間の消臭などにも使うことができます。
総合的に見れば、布団乾燥機としての機能では日立やアイリスオーヤマには劣りますが、それ以外に様々な場所の消臭に使うのであれば良い製品だと思います。
4位 パナソニック ふとん暖め乾燥機(マットレスタイプ) シャンパンゴールド FD-F06X2-N
布団対応サイズ: シングル
ダニ対策時間: 360分
他の布団乾燥機との違いは、まず対応布団サイズがシングルであることが挙げられます。
また、一応靴乾燥にも衣類乾燥にも対応していますが、靴乾燥用のアタッチメントなどはなく、ルーバーの角度を変えて風を送るだけの簡易的なものです。
ダニ対策モードも90分を4回と時間がかかりすぎるので高い効果は見込めないでしょう。
この製品の魅力はシャープ同様、消臭性能にあります。
シャープのプラズマクラスターに相当するパナソニックのナノイーが出ますので、布団や枕の脱臭性能は高いです。
消臭に重きを置いた方なら選択肢に入ってくると思います。
5位 アイリスオーヤマ 布団乾燥機 カラリエ 温風機能付 マット不要 タイマー付き 布団1組・靴1組対応 パールホワイト FK-C3-WP
布団対応サイズ:ダブル
ダニ対策時間:100分
上で紹介したアイリスオーヤマのカラリエFK-W1の下位機種です。
違いはホースが1本なことです。
基本的な性能では対応布団サイズも標準乾燥時間もダニ対策時間も違いはありません。
上記機種同様、低温モードも搭載しているためデリケートな寝具の温めにも対応しています。
靴乾燥アタッチメントも付属しているため靴乾燥にも対応しますが、当然こちらは一度に一足までしか乾燥出来ません。
布靴にも革靴にも対応しています。
上位機種との違いは本当にホースが1本か2本かだけと言っていいので、価格差も数千円しか違わないので私なら上位のFK-W1をおすすめします。
マットレス型(ノズル式)の布団乾燥機で1番おすすめは日立のアッとドライ プラチナ HFK-VH1000 S
やはり標準布団乾燥時間が30分と、他の機種の半分しかない点は無視できないおおきなメリットですし、
靴乾燥や衣類乾燥にも対応し、低温モード(静音モード)も搭載しているという点でスキがないです。
消臭に関してはシャープやパナソニックには劣りますが、そもそも単純な布団乾燥だけでもかなりの消臭効果が見込めますので、布団乾燥機としてはあえて必要はないかなと思います。
というわけで、迷ったら日立で間違いないです。
以上、布団乾燥機のおすすめでした。